常設展示の主役を張るのは、圧倒的なスケールを誇る自然史・科学遺産の数々だ。巨大な海生哺乳類の全身骨格が天井から吊り下げられ、鉱物標本や剥製、精緻な人体解剖模型が整然と並ぶ様は圧巻のひと言に尽きる。だが、本当の見どころは足元や棚の片隅に潜む極小の標本たちにも隠されている。
100年以上前に採集された植物の押し葉標本や、初期の計算機、天体観測装置など、近代科学黎明期の熱狂を封じじ込めた品々は息を呑むほど美しい。時代を経てなお色褪せない標本たちの静かな佇まいは、効率とスピードが支配する現代社会で忘れかけられた「観察する歓び」を思い出させてくれる。