アトラクション化とCG演出によるエンターテインメントに依存しがちな現代の国内水族館業界において、本施設が提示する存在感は極めて異彩を放っている。見せかけの華やかさに頼らず、研究のプロセスそのものや生物多様性の真髄を伝えるアプローチは、「消費される観光」から「知を深める探求の旅」への転換を象徴している。
海洋生物学の最前線と市民の好奇心とをダイレクトに結びつけるこの試みは、今後の水族館産業が目指すべき持続可能な文化拠点としてのモデルケースを示している。紀伊半島の波音を聞きながら水槽の暗闇に目を凝らすとき、私たちは地球上の命の大半を占める「名もなき無脊椎動物たち」の圧倒的な生きる力に、ただただ圧倒されるのだ。 (出典: 京 大 白浜 水族館(Yahoo!ニュース))