日本のフレンチ界を長年牽引してきた巨匠・三國清三氏をはじめ、多くの第一線で活躍する料理研究家たちも、現代の炊飯器が持つ熱制御技術には熱い視線を注いでいる。密閉された釜の中で均一に熱が回り、米の芯まで旨味成分を染み込ませるプロセスは、実はプロが鍋でゆっくりと煮詰める工程と物理的に極めて近い。
「伝統的な洋食の手法をリスペクトしつつ、テクノロジーの力でだれでも再現できるように仕立て直す。これこそが現代の家庭料理の進化形だ」と語る専門家も多い。かつて高級レストランでしか味わえなかった複雑な旨味の重なりが、ボタン一つで再現できる時代が到来しているのだ。