かつての靖国神社「みたままつり(毎年7月13日〜16日)」といえば、大鳥居から神門へと続く外苑参道に約300店を超える露店がひしめき合い、都内屈指の熱気に包まれる夏の風物詩でした。しかし、2015年に神社側が下した「境内での露店出店の中止」という決断は、世間に大きな衝撃を与えました。
この全面禁止措置の引き金となったのは、境内の著しい環境悪化と治安の乱れです。数万人規模の来訪者が押し寄せる中、一部の来場者による過度な飲酒、泥酔による暴力トラブル、参道でのナンパ行為や未成年の飲酒、さらには境内のいたる所に散乱するゴミ問題が年々深刻化していました。
本来のみたままつりは、国のために命を捧げた戦没者の御霊をお慰めするための厳粛な慰霊行事です。本来の趣旨からかけ離れ、単なる無秩序な酒宴の場と化してしまった現状を重く見た靖国神社側は、「神域の尊厳と安全を守り、本来の静謐な祭りに立ち返る」という強い意志のもと、露店の全面排除と酒類の持ち込み禁止という抜本的な決断を下しました。