この地に柑橘の種がもたらされたのは、江戸時代の天保年間にさかのぼる。地域の先人である山田弥右衛門が紀州(現在の和歌山県)からみかんの苗木を持ち帰り、試行錯誤の末に栽培を成功させたのがすべての始まりだった。土壌の水はけを整え、石垣を積み上げて陽光を効率よく集める独自の畑作りは、代々の農家へと受け継がれてきた。
一般的な温州みかん(柑橘類)の中でも、この地域で育つ果実は皮が薄く、房の皮(じょうのう膜)が口の中で溶けるように柔らかいのが特長だ。荒波にもまれた歴史を乗り越え、地域の誇りとして磨き上げられてきた。