こうした現象を裏支えしているのが、急速な進化を遂げる美容外科・美容医療業界の存在である。従来の切開を伴う本格的なフェイスリフト手術に加え、より手軽でダウンタイムの少ないプチ整形の需要が爆発的に拡大した。
現在、国際美容外科学会(ISAPS)が発表する統計データを紐解いても、60代以上のシニア層による美容施術の件数は年々増加の一途を辿っている。特に、手軽に皮膚のボリュームを出すヒアルロン酸・ボトックス注入は、シニア層の日常的なメンテナンスとして浸透した。しかし、手軽さゆえに繰り返し施術を重ねることで、顔面の表情筋が固着し、解剖学的なバランスが崩壊していくケースが後を絶たない。