荒々しい男たちの血生臭い絆を描いた『莫逆家族-バクギャクファミーリア』において、真木よう子が放った存在感もまた異彩を放っていた。男社会の暴力性と刹那的な生の中で、彼女が演じたヒロインは凛とした強さと妖艶な危険香を漂わせていた。スクリーンの隅々にまで充満する彼女の体温と吐息は、暴力映画に特有の陰惨さを一変させ、極上のヒューマンドラマとしての奥行きを与えていた。
過激な描写や肉体美がクローズアップされがちな彼女のキャリアだが、その根底にあるのは役柄の痛みを一身に引き受ける覚悟である。画面越しにも伝わるその気迫こそが、数ある邦画の濡れ場やアクションシーンの中でも彼女の存在を特別なものへと押し上げている。