角打ちの醍醐味は、酒販店ならではの圧倒的な品揃えにある。幻の銘酒と称される十四代や新政、飛露喜といった入手困難な限定酒が、突如として日替わりメニューに登場するサプライズも珍しくない。一杯数百円から試飲感覚で愉しめるのは、角打ちという業態だからこそ可能な贅沢だ。
店主が提案するつまみとのペアリングも秀逸である。炙ったスルメに自家製味噌を添えたシンプルな一品や、サバ缶に刻み葱と七味唐辛子を振りかけただけの乾き物が、芳醇な純米酒の旨みを鮮やかに引き立てる。過飾を排した料理だからこそ、酒そのもののポテンシャルがストレートに舌へと伝わるのだ。