どれほど不遇な環境に置かれても、彼の手元に残っていた唯一の武器があった。それが、かつて自分をスターに押し上げた「鍛え抜かれた身体」だ。
彼はフィットネス業界へ本格的に足を踏み入れ、一からトレーナーとしての理論と実技を学び直した。単なるタレントの客寄せパンダではなく、真摯にクライアントと向き合うパーソナルトレーナーとして現場に立ち続けた。自らの肉体を追い込み、他者の健康と向き合う時間は、傷ついたプライドを取り戻す再生のプロセスでもあった。筋肉は裏切らない――その言葉を誰よりも実体験として噛みしめていたのは、彼自身だったのかもしれない。