ベンガルの芝居が見せる怪演の原点はどこにあるのか。それは1970年代のアングラ文化が渦巻いていた小劇場の空間、すなわち熱気あふれる舞台演劇にある。盟友である柄本明らとともに劇団東京乾電池で磨いたのは、日常と非日常の境界を揺さぶる不条理な笑いと人間観察の眼差しだ。
観客と目と鼻の先で対峙する舞台で培われた即興性と、人間の愚かさや愛おしさを同時に表現するセンス。その鋭利な演技センスが、映像作品へと移植されたのだ。計算し尽くされた型破りなアプローチがあるからこそ、スクリーン上での狂気やコミカルさが観客の心に刺さる。