女性政治学者が国際政治の表舞台で巨大な影響力を行使する——その決定的な先鞭をつけた存在として、コンドリーザ・ライス元米国務長官の名を外すことはできない。ソ連・東欧研究の第一人者としてアカデミアで揺るぎない地位を築いた彼女は、国家安全保障問題担当大統領補佐官、そして国務長官へと登りつめ、超大国の外交舵取りを担った。
日本国際問題研究所をはじめとする各国のシンクタンクや学術機関でも、ライスの理論と実践の融合はいまなお語り継がれている。研究者としての冷徹な観察眼と、実務家としての強硬な交渉力。彼女が示してみせたキャリアパスは、国際政治学という学問が教室のなかだけに留まらず、リアリティをもって歴史を動かす力を持つことを証明してみせた。