事件が動いたのは2019年11月16日朝のことでした。警視庁組織犯罪対策5課が東京都目黒区にある沢尻エリカの自宅マンションへ家宅捜索に入り、部屋のアクセサリーボックス内からカプセルに入った合成麻薬MDMAの粉末約0.098グラムを押収。麻薬取締法違反(所持)の現行犯で緊急逮捕されました。さらにその後の捜査で、微量のLSDを含有する紙片も所持していたことが明らかになっています。
当時の報道各社や捜査関係者の証言によると、前夜から渋谷区のクラブイベントに参加していた彼女は、帰宅直後に捜査員の踏み込みを受けました。取り調べに対し「私のものに間違いありません」と所持を認め、さらにその後の取り調べや公判では「10年以上前から大麻やMDMA、LSD、コカインなどを使用してきた」と赤裸々に供述。第一線で活躍し続けるトップ女優が長期にわたり違法薬物と接点を持っていたという事実は、芸能界のみならず一般社会にも凄まじい衝撃を与えました。
この逮捕による現場の混乱は極めて深刻でした。特に大きな打撃を受けたのが、翌年1月から放送を控えていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』です。彼女は物語の重要人物である帰蝶(濃姫)役に抜擢され、すでに10話近くの撮影を終えていました。NHKは即座に彼女の降板を決定し、川口春奈を代役に立てて異例の突貫再撮影を敢行。CM放映の中止や撮り直しを含め、発生した損害賠償・違約金の総額は5億円から10億円規模に上ると報じられました。