「うちの皮は、温度管理がすべて。油に入れた瞬間の音で揚がり具合がわかるんだよ」
コザ(沖縄市)の老舗で40年以上にわたりフライヤーの前に立ち続ける店主は、誇らしげに語る。メキシコの伝統的なソフトトルティーヤとも、アメリカの完全なハードシェルとも異なる「沖縄スタイル」。小麦粉とトウモロコシ粉を絶妙な比率で練り上げ、油で揚げることで生まれる生地は、かぶりついた瞬間に心地よい音を響かせ、噛み締めるほどに生地本来の甘みが広がる。
この独特の食感こそが、地元住民の胃袋を掴んで離さない最大の理由だ。テイクアウトしても生地がへたらないよう、揚げる時間やオイルの種類には各店ごとの企業秘密が隠されている。