平成の角界を牽引した貴乃花光司は、若くして角界の寵児となり、昭和の大横綱・千代の富士引退後の大相撲を背負って立つ存在となった。第65代横綱として圧倒的な相撲道と品格を追求し続けた彼の姿勢は、相撲ファンのみならず日本中の注目を集めた。
一方で、ハワイ出身の武蔵丸光洋は、圧倒的な体躯と強烈な突き押しを武器に横綱へと登り詰めた。通算対戦成績において貴乃花を上回る対戦相手は極めて限られていたが、武蔵丸はその数少ない一人だ。二人の通算対戦成績は48回にも及び、まさに互いの存在が自らの強さを極限まで引き上げる砥石となっていた。王道を歩む貴乃花と、鉄壁の強さを誇る武蔵丸の激突は、平成相撲の黄金期を象徴する最高のカードだった。