大宮の魅力を語る上で外せないのが、長年地元で愛されてきた老舗純喫茶の層の厚さだ。サイフォンで淹れる深煎りのストレートコーヒー、分厚いトーストにナポリタン、ネルドリップの芳醇な香り。昭和の時代から時が止まったかのような喫茶店には、今も変わらずサイフォンが立てる音とクラシック音楽が流れている。
興味深いのは、こうした伝統的な純喫茶と、最新のシングルオリジンを扱うスペシャルティコーヒー店が、互いを尊重しながら同じエリアで共存している点だ。Z世代の若者がレトロな喫茶店でサイフォンコーヒーの佇まいに魅了される一方で、ベテランのコーヒーファンが浅煎りエチオピアの華やかな酸味に舌鼓を打つ。新旧のカルチャーが自然体で混ざり合う懐の深さこそ、この街の底力と言える。