産業面でのダイナミクスも見逃せません。農林水産省の生産統計によると、国内における柚子の収穫量は高知県が全国の過半数を占める圧倒的なシェアを維持しています。急傾斜地を活かした中山間地域での栽培が盛んで、冷涼な気候が柚子特有の強い芳香を育みます。
現在、日本の柑橘類栽培業は大きな転換期を迎えています。かつては国内消費が中心だった柚子ですが、ヨーロッパをはじめとする世界のトップシェフから「YUZU」として絶大な評価を獲得。果汁だけでなく皮を活用する独自の食文化とともに、輸出産業としての存在感を強めています。国産レモンも広島県や愛媛県を中心に増産傾向にありますが、依然として輸入頼みの側面が大きく、栽培構造にも二者の明確な差が見られます。