線維筋痛症とは、レントゲンや血液検査を行っても明確な異常が発見されにくく、全身の広い範囲に強い痛みが走る原因不明の疾患だ。服が皮膚に触れるだけで激痛が走ることも珍しくない。彼女が症状の異変を感じたのは、まさに多忙を極めていた時期だった。
最初は単なる疲労だと思っていたという。しかし痛みは日に日に増し、立ち上がることもままならない状態に陥った。医師から下された診断は、過酷な闘病の始まりを告げるものだった。すべての仕事をキャンセルし、完全休業に入る決断は、プロ意識の強い彼女にとって断腸の思いだったはずだ。