無限城編の幕開けとなった産屋敷邸の爆破直後、珠世は自爆の炎の中から即座に突入し、無惨の腹部に「人間に戻す薬」を素手で押し込むという決死の行動に出ました。この奇襲こそが、絶対強者であった無惨の狂気と焦燥の始まりでした。
無惨の肉体に取り込まれ、徐々に吸収されながらも珠世は決して屈しませんでした。無惨が「貴様は私を人間に戻そうとしたのか」と問い詰めた際、珠世が放った「お前を人間に戻す薬だよ」「無惨…お前は今日…ここで必ず死ぬ」という名言シーンは、読者の胸を強く打ちました。普段の温和な姿からは想像もつかない、鬼気迫る表情と憎悪を剥き出しにした姿は、400年分の怨嗟の結晶そのものでした。
原作第180話において、薬の分解を完了したと過信した無惨によって頭部を握りつぶされ、珠世は無念の戦死を遂げます。しかし、散り際に見せた微笑みは、自らの死がすでに無惨を滅ぼす連鎖の始まりであることを確信していたからに他なりません。彼女の命を賭した時間稼ぎと体内への毒撃が、後の夜明けの死闘へと直結しました。