物語の中盤から終盤にかけて、視聴者の視線は「あの日、誰が火を放ったのか」という一点に集中します。当初、杏子は強欲な真希子が御手洗家を乗っ取るために放火したと疑っていました。実際に真希子は火事の混乱に乗じて美津子のブランド服や宝飾品を盗み出しており、現場に居合わせたことは事実でしたが、放火そのものは否認し続けます。
物語が急展開を迎えるのは、次男の真二が「自分が真希子にお弁当を届けようとして美津子のキッチンに入り、火を消し忘れた」と自首を決意する局面です。真二はずっと自分が家族を崩壊させた元凶だと思い込み、罪の意識に苛まれていました。
しかし、暴かれた真火災の真犯人は真二ですらありませんでした。13年前に御手洗家へ火をつけた本当の人物は、御手洗医院の看護師長・市原(通称ムッチー)の息子である市原慎太郎だったのです。
当時、裕福な御手洗家に強い憧れと執着を抱いていた慎太郎は、美津子の作った手料理を食べたいという身勝手な動機から家に不法侵入。オーブントースターを勝手に使用した際に火を出し、パニックになって現場から逃走していました。真二が目撃した現場の残り香や違和感は、すべて慎太郎が残した痕跡でした。真希子は友人の弱みを握るため、そして自らの盗みを隠蔽するために真実を覆い隠し、結果として無実の美津子を破滅へと追いやっていたのです。