この特殊な世界を初めてジャーナリスティックな視点から社会に提示したのが、作家の家田荘子だった。彼女が命がけのフィールドワークで掴み取った女性たちの生々しい告白は、ルポルタージュとして大ヒットを記録する。それまでの男性中心だった裏社会のストーリーに、女性の視点というまったく新しい光を当てた画期的な試みだった。
そのノンフィクションを原作として映像化した東映株式会社は、日本のエンタメ界に大旋風を巻き起こす。『極道の妻たち』シリーズの誕生である。力強い女性たちの生き様を描いたこの作品群は、停滞気味だった日本映画産業に強烈な活力を注入し、興行的な成功とともにひとつの金字塔を打ち立てた。