祖国を追放されたウェカピポに対し、手を差し伸べたのが合衆国大統領ファニー・ヴァレンタインでした。大統領は「祖国で幽閉されている妹を保護し、生活を保障している」とウェカピポに告げ、その見返りとしてSBRレースで遺体を追う刺客となるよう命じます。ウェカピポは妹の命を守るためだけに、意に沿わぬ暗殺の任務を引き受けました。
しかし、この忠誠の前提はすべて大統領の巧みな欺瞞でした。氷原での死闘の最中、対峙したジャイロ・ツェペリの口から衝撃的な真実が明かされます。
決闘の直後、失明の危機と処刑の恐怖に怯えていた妹を密かに救い出したのは、ジャイロの父親であるグレゴリオ・ツェペリでした。グレゴリオはツェペリ家に伝わる卓越した医術で妹の目を治療し、王国の追手から匿って他国へと亡命させていたのです。妹は海の向こうの平和な地で別の男性と再婚し、幸せな家庭を築いていました。
妹がすでに自由の身であり、誰の人質にもなっていないことを知ったウェカピポは、大統領への義理を断ち切り、自らの誇りを取り戻す決断を下します。