「処」を外した「甘味」という二字熟語単体でも、実は「かんみ」と「あまみ」の二通りの読み方が存在し、それぞれ指し示す意味領域が異なります。この使い分けを正しく整理することが、誤読を防ぐ鍵となります。
「甘味(かんみ)」と読む場合、主として「甘い食べ物(特に和菓子などのスイーツ全般)」や「基本五味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の一つとしての客観的な味覚分類」を指します。一方、「甘味(あまみ)」と読む場合は、「食品が持つ甘さの度合いや、舌で感じる甘い味わいのニュアンス」を指す主観的・感覚的な表現になります。
また、お酒を好む人を「左党(さとう)」と呼ぶのに対し、甘いものを好む人を指す「甘党(あまとう)」の語源も、江戸時代の言葉遊びや対比文化から派生したものです。「甘味(かんみ)」が学術的・総称的な名詞として用いられるのに対し、「甘い(あまい)」という大和言葉の響きは、日本人の情緒的な感覚と深く結びついています。