かつて全国にその名を轟かせた「小樽寿司屋通り」。歴史ある名店が威厳を保ち続ける一方で、近年注目を集めているのは、その周辺の路地裏や坂の途中に店を構える気鋭の寿司割烹だ。
親の代から続く技術を受け継ぎつつ、握りの構成やシャリの温度管理に現代的なアプローチを取り入れる若手職人たち。席数はカウンター8席のみ、ランチタイムは完全予約制、あるいは地元常連の顔触れで静かに埋まる。こうした店で出される寿司は、派手な大トロよりも、丁寧に酢締めされたヒカリモノや、軽く炙って脂の甘みを引き出した白身魚が主役を張る。過度な観光地化に背を向け、一貫ごとの完成度で勝負する職人魂が、小樽の食の根底を今も支えている。