「連絡させていただきます」は失礼?二重敬語の真相と正しい言い換え

「連絡させていただきます」は失礼?二重敬語の真相と正しい言い換え

「連絡させていただきます」は失礼?二重敬語の真相と正しい言い換えについて押さえておきたい 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

なぜ日本人はこれほどまでに「させていただきます」に依存してしまうのでしょうか。社会心理学の観点から分析すると、そこには「心理的安全性の確保」と「責任所在の曖昧化」という日本特有の組織防衛機制が働いています。 自発的な行為である「いたします」は、発言者本人がその行動に全責任を負うニュアンスを帯びます。これに対し、「相手の許可を得て行動している」体裁を取る「させていただきます」は、無意識のうちに相手を共犯関係に巻き込み、行動の心理的責任を分散させる効果を持ちます。クレームや失敗を恐れるあまり、言葉を何重にも過剰包装してしまう現象は、言語学界隈で「させていただく症候群」と呼ばれ、長年警鐘が鳴らされてきました。 自立したビジネスパーソンとして信頼を得るためには、過剰な卑屈さを捨て、言葉の「引き算」を行う決断力が求められます。

【判断基準】この表現を選ぶべき人・避けるべき人の境界線

  • 「ご連絡させていただきます」を使っても差し支えないケース:
    ・相手から「検討の上、後日連絡をもらえますか」と明示的な要請・許可があった場合
    ・自社の採用選考結果など、相手が待望している合否連絡を通知する場合
  • 今すぐ使用を避けるべきケース:
    ・新規開拓の営業メールや、相手の許可を得ていない初回アプローチ
    ・社内チャットや日報、直属の上司に対する進捗連絡
    ・クレーム対応やお詫びなど、誠心誠意の当事者責任が問われる場面

相手の領域に踏み込む許可を本当に受けているのか。その内省を持たない機械的な敬語乱発は、プロフェッショナルとしての説得力を著しく削ぎ落とします。

清水 千尋
Author

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。