本作の最大の原動力となったのは、間違いなく個性的かつ重厚なキャスト陣の配置だ。物語の軸となる真田信繁役の堺雅人は、青年期の純粋で青くさい表情から、大坂の陣で見せる伝説の戦国武将としての威厳に至るまで、見事なグラデーションで演じきった。また、信繁の兄・信幸(信之)を演じた大泉洋の演技も光る。生真面目で愚直、家族と領民を守るために苦悩し続ける兄の姿は、多くの視聴者の共感を呼んだ。
そして、何と言っても父・真田昌幸を演じた草刈正雄の圧倒的な存在感を忘れてはならない。かつて1985年のドラマ『真田太平記』で信繁を演じた草刈が、時を経てその父・昌幸を演じるという奇跡的な配役は、往年のファンを熱狂させた。「表裏比興の者」と恐れられた謀略家でありながら、愛すべき父親像を見事に体現し、作品の骨組みを強固なものにした。