原作者・吾峠呼世晴が描く集英社『週刊少年ジャンプ』発の傑作において、胡蝶しのぶという人物の根底には常に悲痛な喪失が横たわっている。かつて平和に暮らしていた両親を鬼に殺され、自身と姉のカナエは鬼殺隊に入隊。しかし、誰よりも優しく鬼との共存を望んでいたカナエもまた、上弦の弐・童磨の手によって命を落とすこととなった。
姉の遺志を継ぎ「鬼と仲良くする」という言葉を口にしながらも、その内心に渦巻いていたのは抑えきれない怒りと激しい憎悪だ。彼女のつく笑顔は、姉の面影を追い続ける執着であり、同時に自身の復讐心を覆い隠すための仮面に他ならない。弱さを自覚しながらも戦い続ける覚悟が、彼女を虫柱という独自の境地へと押し上げた。