発行部数の苦戦は朝日だけの問題ではないが、ライバル他社と比較するとそれぞれ異なる生き残り戦略と悩みが浮かび上がる。一般社団法人日本新聞協会がまとめる総発行部数のデータを見ても、業界全体が右肩下がりの坂を転げ落ちていることは明白だ。
業界首位の読売新聞は、強固な戸別配達網と販売店インセンティブを武器に、600万部台の規模を維持しようと防戦を繰り広げている。地方の戸別配送網を維持する戦略においては、業界随一の粘り強さを見せる。一方で、毎日新聞は早期から印刷拠点の集約や夕刊廃止を断行し、紙の規模を追わないスリム化路線へと舵を切った。
これらに対し、朝日は巨大な取材網と高い人件費率を抱えたまま部数が急減したため、固定費の重荷がより急速に経営を圧迫した。他紙との攻防は単なる部数争いを超え、「紙のスケールメリットをいつまで維持できるか」という生存レースの様相を呈している。