敷地に足を踏み入れた瞬間、空気が一変する。斜面を活かして配置された曲面壁と直線のコンクリートが生み出す影のコントラスト。水盤を渡る風が頬をかすめ、かすかな水音だけが耳に届く。建築ファンならずとも、その研ぎ澄まされた造形美には息をのむはずだ。
建築美を堪能するなら、太陽が南中する正午前後の時間帯がおすすめだ。コンクリートの壁面に走るスリットから差し込む光が、時間とともにその角度を変え、空間全体の表情を劇的に変化させていく。建物自体が巨大な日時計のようであり、刻一刻と移ろう光と影のドラマは一見の価値がある。