家計の急場を凌ぐ目的で導入された「定額減税」は、1人あたり所得税3万円・住民税1万円の減額という具体的な数字で打ち出された。しかし、給与明細で減税を確認した人々の多くが「生活が楽になった」と実感できなかったのも事実である。歴史的な円安と資源高がもたらした物価上昇のスピードが、減税による可処分所得の増加分をあっけなく飲み込んでしまったからだ。
さらに国民の不満を深めているのが、防衛力の抜本的強化に伴う「防衛増税」の存在だ。所得税や法人税、タバコ税への上乗せが議論される中、一時的な減税と引き換えに恒久的な税負担増が確定している構造への警戒感は強い。目の前の定額減税という「アメ」と、将来に控える防衛増税という「ムチ」のギャップが、消費者のマインドを冷え込ませている。