香田氏の指導論を語る上で欠かせないのが、日米でトッププレイヤーとなった田中将大投手をはじめとする多くの教え子たちの存在です。技術面はもちろんのこと、香田氏が最も重きを置いていたのは「人間力」と「判断力」の育成でした。
駒大苫小牧の強さを支えた要素は主に以下の通りです。
- 自主性と洞察力の徹底:サインに頼るだけでなく、選手自身が試合状況や相手の心理を読んで自発的に動く野球を徹底的に叩き込みました。
- 雪国のハンデを逆転させるインドア練習:冬期の狭い室内練習場で、至近距離からの打撃マシン打ち込みや、テニスボールを使った捕球練習など、短時間で集中力を極限まで高める練習メニューを開発しました。
- 徹底的なメンタルトレーニング:常にピンチを想定した実戦形式のシートノックを行い、プレッシャーを日常化させることで大舞台での動じない心を養いました。
感情をむき出しにして戦う姿勢の裏には、極めて緻密で論理的な準備が存在していました。「技術の前に心がある」という信念に基づき、日頃の私生活や礼儀作法にも厳格に向き合う姿勢が、プロや社会人で息長く活躍するタフな選手たちを生み出す土台となったのです。