1953年、創業者・香月昇の手によって産声を上げた一軒の屋台。それがすべての始まりだった。当時から試行錯誤を重ねて生み出されたのが、熟成された古いスープに若いスープを絶え間なく合わせていく独自技法である。この技法は、後に「呼び戻しスープ」と名付けられた。久留米ラーメンの歴史を語る上で欠かせない大発明だ。
現在、二代目として舵を取る香月英也社長と株式会社大砲は、この伝統技法を厳格に守り続けている。スープ釜は24時間、年中無休で火が入り続ける。一度空にして洗ってしまうと、重ねてきた旨味のレイヤーが消えてしまうからだ。骨の部位ごとの投入タイミング、水分の蒸発量、季節による気圧の変化。すべてを職人の五感でコントロールする。これこそが、他店の追随を許さない濃厚でまろやかなとんこつラーメンの真髄である。