彼の音楽的ルーツを語る上で欠かせないのが、バンド「Peaky SALT」時代だ。当初は本名を伏せて活動を開始し、メジャーデビューを果たした。自分の力だけでどこまで通用するのかを試したかったのだという。その後、ユニバーサルミュージックからのソロデビューを経て、大きなターニングポイントを迎える。
それが、母・山口百恵の名曲をカバーしたアルバム『I'm HOME』のリリースだった。J-POPの歴史に燦然と輝く楽曲群に新たな命を吹き込んだこの作品は、単なるカバー集の枠を超え、聴き手の心を深く打った。偉大な遺伝子を受け継ぎつつも、自身のボーカリストとしてのアイデンティティを鮮やかに証明してみせた出来事である。