「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」。夏、徳島の街は狂騒と情熱の坩堝と化す。400年以上の伝統を誇る阿波おどりだ。二本の足でリズムを刻み、手を高く掲げて練り歩く連(グループ)の姿は、一度見たら頭から離れない。太鼓の重低音と三味線の高鳴りが夜風を揺らし、街全体が巨大なうねりとなって躍動する。
この踊りの切なさと美しさを情感豊かに描き出したのが、映画『眉山-びざん-』だ。作中でも象徴的に登場する眉山へロープウェイで登れば、市街地と吉野川、遠く紀伊水道まで見渡せる大パノラマが広がる。山頂から見下ろす夕刻の街並みは、旅の旅情をいや応なく高めてくれる。