軽快なアコースティックリフとエネルギッシュなビートに彩られた『Wake Me Up』ですが、その歌詞には若さゆえの焦燥感、自己同一性の探求、そして現実の過酷さに対する切実な心情が刻み込まれています。
冒頭の歌詞から、楽曲全体を貫くテーマが鮮明に提示されます。
【原文】
Feeling my way through the darkness / Guided by a beating heart
I can't tell where the journey will end / But I know where to start
They tell me I'm too young to understand / They say I'm caught up in a dream
Well life will pass me by if I don't open up my eyes / Well that's fine by me
【日本語和訳】
暗闇の中を手探りで進んでいる、高鳴る鼓動だけを道標にして
この旅がどこで終わるのかは分からないけれど、どこから始めるべきかは知っている
周りの奴らは「お前は若すぎて何も分かっていない」と言う
「夢物語に囚われているだけだ」と
目をしっかり開いていなければ人生なんてあっという間に通り過ぎてしまう、彼らはそう言うけれど
僕にはそれで十分なんだ
そして、世界中で大合唱されたサビの象徴的なリフレインへと続きます。
【原文】
So wake me up when it's all over / When I'm wiser and I'm older
All this time I was finding myself, and I didn't know I was lost
【日本語和訳】
だから、すべてが終わったら僕を起こしてくれ
僕がもっと賢く、もっと大人になったその時に
ずっと自分自身を見つけようともがいていたけれど、自分が道に迷っていたことすら知らなかったんだ
アロー・ブラックが自身のキャリアの転換期において「人生が上手くいきすぎていて、まるで夢の中にいるようだ。現実の嵐が過ぎ去った後に起こしてほしい」という想いから紡いだこの詞は、若くして世界的スーパースターとなり、想像を絶するプレッシャーと闘っていたアヴィーチー本人の心境とも痛烈に共鳴していました。デビューアルバム『True』の収録曲全体に共通する「偽りのない本物の感情(True)」という哲学が、まさにこのフレーズに集約されています。