八坂神社の祭礼といえば、日本三大祭りの一つとして世界に知られる祇園祭だ。7月1日から1ヶ月間にわたって繰り広げられるこの神事は、平安時代に疫病を鎮めるために始まった「祇園御霊会」を起源とする。
なかでもハイライトとなるのが、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている祇園祭山鉾行事である。豪華絢爛な装飾を纏った山鉾が京の街を練り歩く様は「動く美術館」と称されるが、その核心は八坂神社から神様が街中へとお渡りになる「神輿渡御(みこしとぎょ)」にある。山鉾の巡行に目を奪われがちだが、熱気渦巻く神輿の発車や還幸祭の瞬間にこそ、千年以上受け継がれてきた神道の情熱と祈りの神髄が宿っている。