しかし、栄華を極めたブランドの足元は急速に揺らぎ始めます。需要の急拡大に生産現場が追いつかず、生産ラインを外部委託先も含めて急ピッチで増設した結果、1998年に品質管理上の致命的なミスが発生しました。
商品から異臭がするという消費者からの指摘を受け、調査の結果、製造工程の不備によるカビ(真菌)の混入が発覚。JTは大規模な自主回収と一時的な販売休止を余儀なくされました。さらに痛手となったのは、対策を講じて再販に踏み切った翌1999年にも再びカビ混入事故が発生し、2年連続で回収騒動を起こしてしまった点です。
飲料にとって命ともいえる「清潔感」や「安心・安全」のイメージが完全に崩壊し、店頭での扱いを控える流通業者や消費者の離反が加速。この連続した品質トラブルこそが、桃の天然水が失速した最初の決定的な引き金となりました。