松任谷由実の性格は、一言では語れない。毒舌で鋭く、プライドが高く、妥協を許さない。しかしその一方で、音楽には誰よりも真摯に向き合い、ファンへの感謝を忘れず、繊細な感受性で時代を描き続けてきた。「性格が悪い」という評価と「天才」という賛辞が同じ人物に向けられるのは、それだけ彼女の存在が強烈だからだ。
人は誰でも、複数の顔を持っている。ユーミンの場合、その振り幅が人より大きいだけかもしれない。強くなければ、あれほど長く第一線には立てない。同時に、深く感じなければ、あれほど人の心に届く歌は書けない。松任谷由実という人物の性格は、その両極を抱えた、まぎれもない「本物」の証だ。
デビューから50年以上が経った今も、彼女は変わらず音楽を作り、ステージに立ち続けている。それだけで、松任谷由実がどんな人間であるかは、十分に伝わるのではないだろうか。言葉よりも、行動と作品が、その人の性格を最も雄弁に語る。