衣類着脱介助の学習でよく出てくる言葉に「脱健着患」があります。これは、衣服を脱ぐときは健側から、着るときは患側から行うという原則です。片麻痺がある人の更衣介助で特に大切な考え方です。
なぜ着るときは患側からなのでしょうか。麻痺がある側は動かしにくく、痛みや関節の拘縮がある場合もあります。先に患側の袖やズボンに通しておくと、その後に動かしやすい健側で調整しやすくなります。逆に脱ぐときは、動かしやすい健側から脱ぐことで、最後に患側の衣服を無理なく外しやすくなります。
ただし、この原則は機械的に当てはめればよいものではありません。肩関節に痛みがある人、拘縮が強い人、点滴や医療機器を使用している人、認知症により手順の理解が難しい人など、状況は一人ひとり違います。痛みの訴えがある場合は、腕を引っ張らず、関節の自然な動きに沿ってゆっくり介助します。