石原新菜氏は、帝京大学医学部に入学し、西洋医学の高度な知識を学んだ。近代医学の緻密な解剖学や薬理学に触れる一方で、彼女の心の中には常に「母の台所で学んだ実践的な健康法」があった。
西洋医学の現場では、冷え症や原因不明の体調不良に対して「異常なし」と診断されたり、対症療法としての鎮痛剤が処方されたりすることが少なくない。しかし新菜氏は、母が日常的に実践していた「体を温め、血流を良くする」アプローチがいかに効果的であるかを知っていた。
「どんなに高度な薬を使っても、患者さんの体が冷え切っていたら本来の治癒力は発揮されない。母が毎日淹れてくれた温かい生姜紅茶の意味を、医師になってから医学的に再確認したのです」
大学卒業後、研修医を経て父親のクリニックで診療を始めた新菜氏は、母から受け継いだ知恵を現代女性向けに言語化。「温活」という親しみやすい言葉を通じて、生理痛、不妊、冷え症、肥満に悩む女性たちへ届けるようになった。