金砕棒は万人向けの標準兵器ではない。戦場において金砕棒を任されたのは、軍中でも選りすぐりの体躯と怪力を誇る「力士部隊」や突撃先鋒の猛者たちであった。
彼らの主たる任務は、密集する敵の「槍衾(槍を差し並べた陣形)」を力任せに叩き折り、前線をこじ開けることだった。また、迫り来る騎馬武者に対しては、馬の足を狙って金砕棒を叩きつける戦術が極めて効果的であったと伝えられる。
戦国時代の合戦記録には、巨漢の武士が八尺(約2.4メートル)の金砕棒を振り回し、群がる敵兵をなぎ払った記述が散見される。一振りが複数人を巻き込む集団戦闘における威圧感は計り知れない。