1990年代末から2000年代初頭にかけて起きた「回転寿司革命」こそが、サーモンを国民的スターダムに押し上げた決定打です。
低価格でファミリー層を取り込もうとしていた回転寿司チェーンにとって、鮮やかなオレンジ色の見栄え、癖のない濃厚な脂の甘み、骨がなく柔らかい食感を持つサーモンは、マグロ特有の酸味や青魚の生臭さを苦手とする子供や若年層の心を鷲掴みにしました。さらに、原価が安定しており冷凍保存が効くアトランティックサーモンやトラウトサーモン(海面養殖ニジマス)は、チェーンストア経営の効率化とも完璧に合致したのです。
以下は、日本における鮭・サーモンの食文化変遷と市場規模の推移をまとめた客観データ比較です。
2000年代以降、マヨネーズやオニオンスライス、チーズ炙りといった「回転寿司ならではの自由な創作ネタ」が開発されたことも、サーモンの地位を決定づけました。脂の融点が低いサーモンは炙り調理と相性抜群であり、従来の寿司の枠組みを超えたファストフード的進化を遂げたのです。