刺繍のクオリティを決定づけるのは、ミシンの性能だけではない。使用する「糸」の選定が仕上がりと耐久性を大きく左右する。
一般的に用いられるのはポリエステル糸とレーヨン糸の2種類だ。それぞれの特徴を理解しておくことが重要である。
- ポリエステル刺繍糸: 耐熱性、耐塩素性、強度に優れる。工業洗濯や漂白処理が行われる作業服、飲食店、医療スクラブに最適。発色が良く色落ちしにくい。
- レーヨン刺繍糸: 絹のような美しい光沢と柔らかい風合いが特徴。上品な仕上がりが求められる高級ホテルの制服やフォーマルなジャケットに向くが、漂白剤には弱い。
- 金糸・銀糸(メタリック糸): 伝統的な重厚感や勝利のシンボルを表現する特殊糸。糸自体が硬いため、ミシンの速度調整や専用の針設計が必要となる。