漁師という職業には「一攫千金の荒くれ者」という昭和的なイメージが一部に残っていますが、実態は従事する漁法や雇用形態によって大きく二極化しています。 水産庁の統計や求人実態調査によると、一般的な沿岸漁師の平均年収は250万〜450万円前後が多く、個人事業主として船の維持費や燃油代を差し引いた手取りは決して高くありません。一方で、沖合まき網船団の幹部船員や、遠洋マグロ船の熟練船長クラスになると年収800万〜1,200万円超に達するケースもあります。 また、脱サラして漁師を目指す際に最大の関門となるのが「漁業権」の仕組みです。
- 区画漁業権・共同漁業権の壁:特定の沿岸海域でアワビやウニを採ったり、養殖生簀を設置したりするには、地元の漁業協同組合(漁協)に所属して漁業権の行使を認められる必要があります。
- 取得条件と現実:漁協の正組合員になるには「年間操業日数(概ね90〜120日以上)」や「地元地区への居住」などが課され、過去には閉鎖性が指摘されてきました。
- 法改正による変化:近年の漁業法改正により、意欲ある新規参入者や民間企業への養殖区画開放が進みつつあり、各自治体の「漁業就業者確保育成センター(かがわ漁業塾など)」による研修制度を経由した参入ルートが確立され始めています。