ネット上には「ブイヨンは薄いコンソメのことだから、コンソメをお湯で薄めればブイヨンになる」という説が散見されますが、これは調理科学的に明白な誤りです。
コンソメをお湯で薄めると、塩分だけでなく肉や野菜のエキス濃度(旨味の絶対量)まで希釈されてしまいます。その結果、「コクのない塩水」のような状態になり、料理のベースだしとしての役割を果たせなくなります。
また、「洋風料理を作るときは、とりあえず何にでもコンソメを入れる」という習慣も要注意です。コンソメに含まれる複合調味料の風味は非常に強いため、どの料理を作っても「市販コンソメの画一的な味」になってしまい、旬の野菜が持つ繊細な甘味や肉本来の香りが覆い隠されてしまいます。素材の個性を引き出したい本格的な煮込み料理ほど、洋風だしとブイヨンの特徴を活かした無駄のない下味設計が求められます。