知的発達の遅れがある中学生は、周囲との比較の中で「自分は劣っているのではないか」という二次障害のリスクに直面しやすい。発達障害や知的障害の臨床心理学で知られる辻井正次氏は、思春期におけるメンタルヘルスの重要性を強く訴え続けている。障害告知をどう受け止め、自身の特性とどう折り合いをつけるか。この内面的な成熟こそが、学力以上に将来の自立を左右する。
辻井氏が提唱するように、家庭や学校以外の「第3の居場所」で心理的安全性を確保することが決定的に重要になる。失敗しても叱責されず、ありのままの存在を肯定される経験の蓄積が、折れない自己肯定感を育てる。大人が敷いたレールを進ませるのではなく、子ども自身が「自分で決めた」という感覚を持てるかどうかが、進路選択の成否を分ける。