行政の姿勢も大きく舵を切った。厚生労働省が国民健康づくり運動「健康日本21」で長らく掲げてきた「1日平均純アルコール約20g以下」という指標は、あくまで大まかな上限目安に過ぎなかった。しかし、個人の体質や疾患ごとのリスク格差に対応するため、国はより実態に即した包括的な「飲酒ガイドライン」の運用へとシフトしている。
新基準が強く打ち出すのは、缶やグラスの「杯数」ではなく「純アルコール量(グラム)」で把握することの徹底だ。ビール、ワイン、ハイボール、ストロング系チューハイ――アルコール度数が異なる飲料を同じ「1杯」で括ることは極めて危険であり、肝障害だけでなく脳萎縮や循環器疾患への影響をグラム単位で直視することが求められている。