神嶽川沿いの護岸改修と土地区画整理事業が本格化する中で、幾度もの火災を乗り越えてきた旦過市場は、今まさに新しい街の輪郭を露わにしています。北九州市の都市計画資料および市場連合会の報告によると、再整備事業に伴う新商業フロアの整備や仮設エリアでの営業継続など、現場の歩みは着実に前へと進められてきました。
商業地図の塗り替えに伴い、カフェカルチャーの勢力図も大きく変貌を遂げています。以前からの木造密集地帯に根を張っていた老舗喫茶が移転や内装の継承を経て再スタートを切る一方、再開発エリアの周縁部である紺屋町・馬借・船場町方面へ連なる路地には、古い建物の風合いを活かした古民家カフェやコーヒースタンドが相次いで定着。市場の復興と呼応するように、感度の高い個人店街が自然発生的に形成されている点こそ、現在の旦過エリアにおける最大の特徴と言えます。
重機が稼働する音と市場の威勢の良い掛け声、そして焙煎機から漂う深煎り豆の芳香。現在の旦過駅周辺は、新旧の都市空間がシームレスに混じり合う独特のバイタリティで満たされています。