ネット上の掲示板やSNSでは、「百均のフックを付けたけれど翌朝には落ちていた」「大切な小物が落ちて割れてしまった」というトラブル事例が定期的に報告されます。現場検証とユーザーヒアリングを行うと、落下には明確な共通原因が存在することが判明しました。
最も多い失敗が、「垂直耐荷重」と「水平(せん断)耐荷重」の混同です。マグネットフックに記載されている「耐荷重2kg」という表記は、天井などから下方向へ真っ直ぐ引っ張った際の数値(垂直耐荷重)を指しているケースがほとんどです。冷蔵庫などの垂直な壁面に取り付けた場合、重力によって下方向へ滑り落ちる力(せん断荷重)が働くため、実際の保持力は公称値の約3分の1から5分の1程度まで低下します。
また、粘着テープ型や吸盤型においては、下地表面の「目に見えない油膜や微小なホコリ」が密着を妨げているケースが多発しています。特にキッチン周辺の壁や浴室のパネルには、調理油の飛沫や皮脂、石鹸カスが付着しており、そのままフックを貼り付けても初期接着力が著しく阻害されてしまいます。