しかし、職人の高齢化や原材料の入手困難など、現場が直面する現実は決して甘くない。こうした絶滅の危機に歯止めをかけるべく立ち上がったのが岐阜和傘振興会だ。後継者育成のワークショップや材料確保のネットワークを構築し、途絶えかけた技術の継承に全力を注いでいる。
一方で、伝統を現代生活に再定義する革新者も現れている。創業160年を超える老舗の継承者であり実業家の西堀耕太郎は、和傘の開閉構造と美しさを照明器具へと応用したプロダクトを開発し、世界的なデザイン賞を総なめにした。「守るために変える」という発想の転換が、衰退しかけていた伝統工芸に新たな光を照らし出している。