効果は患者側だけに留まらない。現場で働く医療従事者にとっても、ラジオは大きな意味を持ち始めている。日常の多忙を極める看護師や医師たちが、放送を通じて患者の人間的な一面や隠された思いを知るケースが増えているからだ。
「あの気難しかった患者さんが、実はジャズが好きで熱い青春時代を送っていた」。そんなエピソード一つで、ベッドサイドのコミュニケーションは劇的に変化する。心理的ハードルが下がり、相互の信頼関係(ラポール)が深まることで、治療やリハビリへの意欲向上につながる事例も報告されている。声を通じた相互理解が、医療品質そのものを底上げしていると言っても過言ではない。